最終更新 2006.6.1
住宅火災における焼死者の低減を図るための消防法改正が行われ、すべての住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。
新築住宅については、平成18年6月1日から住宅用火災警報器の設置が義務となります。また、既存住宅については、5年(平成23年5月31日まで)の猶予期間が設けられています。
住宅火災では、死に至った原因の7割が「逃げ遅れ」だと言われています。住人が就寝中などで気づかなかったり、気づいても煙に巻かれてなくなるケースが多く、火災報知機を設置いていた場合と、設置していなかった場合を比較してみると死者発生件数は約3倍の差が出るのだそうです。
住宅用火災警報器の基本的な取り付け場所は、寝室として利用する部屋(子供部屋など複数ある場合はそのすべて)と3階以上の建物の場合は、寝室のある階の階段天井です。そのほか、条件により台所や廊下に設置が必要な場合があります。できればすべての部屋、台所・階段に設置するようにしたいものです。
尚、「○○が義務化」という話が出ると必ず出てくるのが悪質訪問販売業者です。「消防署から取り付けに来た」「この住宅用火災警報器でないとだめ」などと、強引に購入を勧める業者には注意してください。消防署から取り付けに来たり消防署が報知器を斡旋販売するような事は絶対にありません。万一、この様な悪質訪問販売にあった場合は消費者センター等にご相談の上クーリングオフの手続きを取りましょう。
「住宅用火災警報器」は熱や煙を感知し、火災の発生を音や音声で報知します。またCO(一酸化炭素)やガス漏れを感知するものもあります。
また、「住宅用火災警報器」は消防用設備取扱店やメーカーのホームページなどでも購入できます。ホームセンターなどで取り扱っているところもあり、価格は1台が3500円程度から3万円程度といった所です。
火災警報器には「電池を使うもの」や「家庭用電源(AC100V)を使うもの」があります。家庭用電源を使用する物は設置時に電気工事が必要になり取り付け費用が掛かることもありますが、その点、電池式の場合は配線が要らずドライバー1本で取り付けられますので自分で設置が可能です。電池式の電池寿命は製品により約2年、約5年、約10年等のタイプがあり、電池交換の手間を考えると長期の使用が可能なタイプが良さそうですが、電池の液漏れ等のトラブルもありますので定期的に動作確認が必要です。
子供部屋や寝室など普段煙の発生しない部屋向け、火災の”煙”を自動的に感知して、警報で知らせてくれる機器です。生活上発生するタバコの煙や線香の煙、燻煙式の殺虫剤等などにより誤動作する場合があります。
強い火力を伴う調理場や通気性の良くないキッチンに最適、火災警報器の周囲温度が一定の温度に達すると音や音声でお知らせします。車庫・台所など(大量の煙や湯気が滞留する場所等にお使いになれます)
火災警報器とガス漏れ警報器の機能を複合した警報器
火災時、煙よりも早く移動する一酸化炭素をいち早く感知するので、就寝時の逃げ遅れ防止に効果を発揮します。ガス機器・石油機器の不完全燃焼などで発生する一酸化炭素の感知にも有効です。
炎に含まれる特殊な紫外線を超高感度の炎センサーですばやく検出します。通常の火災報知器と違い即座に警報を発しますので出火対処を迅速に行えます。通常火を使用しない便所、物入れ等で使用します。ロウソクやライターの炎等をを検知し、誤動作する場合があります。
尚、高齢者の方、目や耳の不自由な方には、音や光の出る補助警報装置の増設をおすすめします。 また、購入の目安としてNSマーク(日本消防検定協会の鑑定合格証)が付いているものを選ぶと良いでしょう。
住宅に取り付ける住宅用火災警報器は日本の法令に定める技術基準に適合した製品でなければなりません。日本消防検定協会の鑑定に合格し、認定を受けた住宅用火災警報器には、NSマークが付いています。このマークを確認してください。
日本の風土・住居状況、食・生活習慣、国民性に沿って鑑定され火災以外の要因による誤作動が少ないという事らしいです。
「我が家にも警報器を!」と思った方は、ぜひご自分で設置してみてください。ホームセンターや防災設備取扱店で購入し、自分で両面テープなどで簡単に取り付けることができます。煙に反応して作動するタイプと、熱に反応して作動するタイプとがありますが、寝室などに取り付けるなら電池式の煙感知式火災警報器がおすすめです。
尚、取り付け位置に関しても基準が定められていますので確認の上取り付けてください。また、タバコの煙、調理時の湯気や煙、ほこりなどの原因で火災警報器が鳴る場合は数分間で警報は停止しますが、この現象がひんぱんに発生するときは取り付け位置を変更しましょう。
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