建築用語解説


 【6.材料編】  - 1.構造材料 -

 コンクリート 【こんくりーと】

最終更新 2007.10.30

セメント・水・砂・砂利が主原料。これらを適切な調合で練ったものがコンクリートです。水とセメントを混ぜあわせたセメントペーストが骨材(砂や砂利)の隙間を埋め接着させたもので、コンクリーの強度は骨材の強度と言えます。また、セメントの主成分は生石灰で古くは石灰石を焼いて製造していました。

コンクリートは、コンクリート部材を圧縮するように働く力(圧縮力)に対しての強度は高い反面、部材を引っ張るように働く力(引張力)に対しては非常にもろい為、引張強度の高い鉄筋を配して引張強度不足を補う「鉄筋コンクリート(RC)」として構造材料に利用されています。

コンクリートはどう固まるかというと、コンクリートは練り合わせるとセメントが水和反応によって硬化を始め通常は練り合わせ後2時間程度で硬化が始まり4時間程度で終結します。(仮に工場で練り合わせた生コンを受け取ったミキサー車が事故や渋滞で2時間立ち往生するとタンクの中のコンクリートが固まって大変な事になります・・・)

またコンクリート中の水の割合はコンクリートの強度に影響を与え、水が多いと流動性が上がり工事の作業性が良くなるかわりにコンクリート強度は低下します。一般にコンクリートの流動性はスランプ試験と言う検査で確認しますがこのスランプ値が設計図書に指示された値を下回らないよう監理します。欠陥工事では強度より作業性を優先し「シャブシャブ」のコンクリートを施工する場合があり、このような場合は骨材とセメントペーストが分離し強度不足に陥る場合もあります。

コンクリートは硬化してすぐに強度が出る訳ではありません。練り合わせから4週間程度までは急激に強度が上がりその後は緩やかに何年間も強度が上がり続けます。そこで設計時には4週経過後のコンクリート強度(F28)でコンクリート強度を表す場合も有ります。一般的に図面で指示するコンクリートの強度は構造計算に使用する設計基準強度(Fc)で表され18、21、24、27、30、33、36・・・N/mm2、と記載されます(数字が大きいほどコンクリート強度は上がります)。小規模木質系住宅ではFc21(N/mm2)が一般的です。

また、コンクリートの耐久性に大きく関わる、中性化・表面劣化・塩化物の浸透・鉄筋の腐食などの被害に対する抵抗性はコンクリートの圧縮強度にほぼ比例するため建物の耐久性の計画からコンクリートの強度を決める場合もあり、圧縮強度と耐久性の関係は次の表のようになります。

計画共用期間の級
耐久設計基準強度
大規模補修不要期間
共用限界期間
一般
18(N/mm2)
30年
65年
標準
24(N/mm2)
65年
100年
長期
30(N/mm2)
100年
-

上表より、小規模木質系住宅でも100年の耐久性を持たせるならば基礎などのコンクリート強度は21(N/mm2)では無く24(N/mm2)を採用する事になります。

また、実際に現場でコンクリートを発注する場合は3N/mm2+コンクリート打ち込みから28日間の期間の平均気温による補正値を加えた値で発注します。

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