住宅建築の質問集


Q_001 FRP防水の話

最終更新 2005.5.1

現在家を新築中で、ベランダの防水をFRPでやったのですが、その上にモルタルを流すかどうか迷っています。(ベランダの上には屋根はありません)

紫外線などの事を考えると木のデッキをしいたり、モルタルを流したほうがいいらしいですが、FRPがひびが割れたりしたときに修理するのにモルタルがながしてあると全部とらなければならないので、よけいにお金がかかってしまう。といわれました。

設計士さんに言わせると、どちらも一長一短ということですね。

なので、よけいに悩んでいます。
ぜひいいアドバイスが頂ければと思います。


A_001

FRP防水に関してのご質問にお答えする前にFRP防水について少しおさらいしてみましょう。

FRPは複合材料の一つで、ガラス繊維ポリエステル樹脂を含ませ、強化したものです。強靭性と弾力性に優れていて防水性は他の防水工法と比較すると抜群に高性能です。若干の下地の変形に追従が可能なため木造のベランダ等にも向き、他の下地(モルタル等)でも施工上の問題はありません。施工時間が短いのも大きな特徴です。

と、良いことばかりの材料ですが断言させていただきますと、「防水層は必ず切れて雨漏りします。」それは10年後かも知れませんし、3日後かも知れません。

と言うのもFRP防水の雨漏りの原因の多くが防水層を設置する下地の変形の問題で、たとえ防水の立上げを十分に取り、ドレン周辺のFRP処理もしっかり施工したとしても地震や台風で建物が揺れたり、木質系の下地材料が乾燥収縮・変形などして下地が動いた場合FRP防水層が追従しきれずに破断し雨漏りにつながる可能性があります。

さらに、防水層の上に物を落としたり、重い物を置いたりすると防水層に傷が付いたり下地がたわんだりし、そこから雨漏りが発生する事もあります。

少し前書きが長くなりましたがこの様にバルコニーのFRP防水はメンテナンスフリーの代物では無いためモルタル等を流してしまう事はあまりお勧めできません。また本格的なデッキテラスをバルコニーの上に組んでしまうとこれもメンテナンス上の問題があります。

余談ですが、紫外線が直接の原因でFRPが劣化し雨漏りに至ったケースには現在の所、個人的には遭遇していません。紫外線対策は紫外線や磨耗に強いウレタン・トップコートを数年に1回程度の間隔で塗り、コーティングするだけでも十分でしょう。

しかしながらFRP防水そのままだと、たしかにあまり美観のよい物ではありません。そこで、私共では建築側で処理する場合はバルコニーの勾配に合わせた90cm角程度の「すのこ(ウッドデッキ)」を作って敷き並べています。この程度の大きさの部材ならあまり苦労なくFRP防水層のメンテナンスの時に取り外すことが出来ます。この「すのこ(ウッドデッキ)」見栄えは特注ですので良いのですが値段もそれなりの値段になります。

予算が無い場合は、建て主さんにホームセンターに走ってもらいガーデニング用の床材のデッキ部材(床保護・滑り止めのゴム付き)をご自身で敷き並べてもっらっています。仕上げはタイルや木、ゴムなど色々選べ、またジョイント式を使う事で、痛んだ箇所だけを補修する事も出来ます。経験上最もコストパフォーマンスが高くそれなりの保護効果があるのはプラスチックの人工芝シートでしょうか。

尚、ウッドデッキは腐りやすいので、こまめなメンテナンスが必要です。 樹種によっては腐りにくいものもありますが、いずれの場合も防腐加工を施すか、防腐塗料を塗らなければ長持ちしません。できれば2年に1回の塗装をお忘れなく。またデッキの下の空間は、風通しが良くなるようにし、湿気がたまらないように水はけをよくすることが大切です。

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