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Q_015 建築の完了検査の後付け申請

最終更新 2007.7.1

建築工事完了後かなりの日数が経過した場合でも(半年くらい)、検査済証の交付を受けることは可能なのでしょうか?


※注意 : この項の回答は一連の耐震偽装問題を発端とする平成19年6月に行われた建築基準法改正(建築確認申請の厳格化等)に伴い、回答の内容が古くなっています。建築確認申請の厳格化にともない後付けで完了検査を行う場合は建築確認申請の再提出等、大幅に手間がかかり事実上不可能な場合も考えられます。今後申請手続きの運用が整理された後にこのページを修正する予定ですのでご容赦ください。

A_015

結論としては条件付きで可能ではないかと考えられます。

建築の完了検査は、工事が終了した時点で行政機関(特定行政庁等)に申請し、実際の工事が建築確認申請時の書類や図面の内容の中で建築基準関係法令に関わる部分について確認申請と相違がないか検査を受ける手続きです。この検査に合格した場合に完了検査済証が発行され、建築確認申請から始まる建築基準法の手続きが終了となります。

ちなみに建築基準法では完了検査の手続きについて次のように定めています。(・・・部分は省略部分)


建築基準法  第七条 (建築物に関する完了検査)

 

建築主は、・・・ 工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。

・・・申請は、・・・ 工事が完了した日から四日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。・・・

・・・

建築主事が・・・申請を受理した場合においては、・・・、その申請を受理した日から七日以内に、当該工事に係る建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合しているかどうかを検査しなければならない。

建築主事等は、・・・検査をした場合において、当該建築物及びその敷地が建築基準関係規定に適合していることを認めたときは、国土交通省令で定めるところにより、当該建築物の建築主に対して検査済証を交付しなければならない。


今の時点で工事が終了して半年が経過しているのであればこの建築基準法第7条に違反している事になります。

また、現在その建物に住んでいる場合は次の建築基準法第7条の6にも違反(※1)している場合もあります。

(※1)法第六条第一項第一号から第三号までの建築物の場合です。一般的な2階建て木造住宅や平屋建てか200u以下の鉄骨造等の建物は第四号に該当し第7条の6の規定は適用されません。逆に3階建て木造住宅は第二号に、2階建や200uを超える鉄骨造等の建物は第三号に該当し適用を受ける事となります。


建築基準法  第七条の六
(検査済証の交付を受けるまでの建築物の使用制限)

 

・・・建築物を新築する場合・・・、当該建築物の建築主は、・・・検査済証の交付を受けた後でなければ、当該新築に係る建築物・・・を使用し、又は使用させてはならない。ただし、次の各号の一に該当する場合には、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物又は建築物の部分を使用し、又は使用させることができる。

 

特定行政庁・・・が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の承認をしたとき。

 

第七条第一項の規定による申請が受理された日・・・から七日を経過したとき。

・・・仮使用の承認の申請の手続に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。


建築基準法7条の6では、完了検査済証の交付前に建築物を使用することを禁じています。ただし書きで一部仮使用を認めてはいますが、これは建物の一部分を現場事務所に使用するなどと言ったことを認めるものです。

ところで、ご質問のケースの違法状況を是正しこの建物を合法な状態に持って行くには、結局の所、完了検査を受け検査済証の交付を受けるしか有りません。その為、工事完了から6ヶ月が経過した建物でも、完了検査を受ける事ができる可能性があります。(完了検査申請書を提出に行く設計事務所はかなり叱られるとは思いますが・・・・まあ仕方ないですね。)

ただし、完了検査を受ける事が出来ると言うことが、そのまま、検査済証が受けられるという事と同じでは有りません。

建物が、当初の建築確認申請の通り完成し、かつ、その後も違法な要素を付け加えたりしていない場合は、検査後すぐに検査済証の交付を受ける事が出来ます。しかし、建物に建築基準関係規定に関わる変更が行われていたり、違法な要素が付け加えられている場合、違法な要素を撤去するか、計画変更の建築確認申請を行い確認申請手続きのやり直しを求められる場合があります。

ところで、この違法な要素に該当することが多いのが、法22条地域内のカーポートやバルコニーに設置するアルミフレームの屋根に取り付けられているポリカーボネートやFRPといった樹脂製の屋根材です。

住宅がある程度立ち並んでいるような地域では大抵、法22条の地域に指定されていますが、この地域内で建物を建てる場合はその建物の屋根やひさしを不燃材料で仕上げなければなりません。樹脂製の屋根材は一般的に不燃材料ではないので使用はできませんし、もし使用している場合は完了検査までに屋根材を撤去しなければ完了検査に合格し検査済証の交付を受ける事が出来ません。

この違法状態のカーポートやバルコニーの屋根は実際いたるところで見受けられます。これらを設置しても社会的通念上、余程非常識なものを除いては行政指導は行ってはいない様です。しかし、完了検査時には厳密に審査され違法の指摘を受ける事が多々あり配慮が必要です。また、この他にも様々な違法性を問われる場合があるので、検査に先立ち設計事務所でチエックをしてもらうことを、お勧めします。

さらに、今回のご相談のケースは、まずは行政と相談が必要なケースですので、確認申請を行われた設計事務所に依頼し相談した上で、完了検査の手続きを行ってください。

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