最終更新 2007.12.19
物置(小屋)を建てたいのですが、何平方メートル以下なら建築確認申請は必要にならないのですか。
さて、お問い合わせの件ですが建築基準法では以下のように決められています。
建築基準法 第六条 (建築物の建築等に関する申請及び確認)
第1項
建築主は、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合においては、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定(この法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定(以下「建築基準法令の規定」という。)その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものをいう。以下同じ。)に適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。
当該確認を受けた建築物の計画の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をして、第一号から第三号までに掲げる建築物を建築しようとする場合(増築しようとする場合においては、建築物が増築後において第一号から第三号までに掲げる規模のものとなる場合を含む。)、これらの建築物の大規模の修繕若しくは大規模の模様替をしようとする場合又は第四号に掲げる建築物を建築しようとする場合も、同様とする。
一 号
別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が百平方メートルを超えるもの
二号
木造の建築物で三以上の階数を有し、又は延べ面積が五百平方メートル、高さが十三メートル若しくは軒の高さが九メートルを超えるもの
三号
木造以外の建築物で二以上の階数を有し、又は延べ面積が二百平方メートルを超えるもの
四号
前三号(※ 一 号〜三号 )に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域(いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法 (平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項 の準景観地区
(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
第2項
前項(※ 第1項 )の規定は、防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が十平方メートル以内であるときについては、適用しない。
かなり難解な文章ですが要約すると、まず建築しようとする場合にその建物の用途・規模が法律上の分類のどれに該当するのか確認する必要があります。
一号建築物は特殊建築物と呼ばれる建物で次のような用途に該当しその用途の部分の床面積が100uを超える場合に該当します。
特殊建築物とは学校(専修学校及び各種学校を含む。以下同様)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵場、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらに類する用途に供する建築物をいいます。
二号建築物は木造で一定の規模を超えるものが該当し木造3階建ての住宅はこれに該当します。
三号建築物は木造以外で一定の規模を超えるものが該当し鉄骨造や鉄筋コンクリート造の2階建て住宅はこれに該当します。
尚、一号から三号の建築物に該当しない建物で都市計画区域等の地域内の建物は四号建築物となります。
例えば区域内の木造2階建て住宅は四号となります。都市計画区域等についてはお住まいの市区町村役所でおたずねください。
これら一号から四号の建築物に該当する建物を新築する場合は建築確認申請が必要となります。つまり新築の場合では都市計画区域や準都市計画区域等の区域外の山地や離島などで一号から三号の建築物に該当しない建物をたてる場合のみ建築確認申請が不要となります。
ただし、建物を増築・改築・移転する場合では、防火地域及び準防火地域の指定を受けていない地域で増築・改築・移転する部分の面積が10u未満の場合に限り建築確認申請が不要となっています。郊外の住宅地等では防火地域及び準防火地域の指定を受けていない事が多くこれに該当するケースは案外多いと思われます。
今回のケースでは鉄製の簡易な物置であれば建築物扱いはされず、建築確認も不要となると考えられます。
また、基礎等を備えた建築物扱いの物置(小屋)の場合は通常4号建築物となりますので、建物の無い更地に新築する場合であれば面積に関わらず建築確認申請が必ず必要です。
(都市計画区域外、準都市計画区域外であれば不要の場合もあります。)
一方、既に建物の建っている敷地内での増築の場合であれば防火地域及び準防火地域の指定を受けていない地域内で且つ10u未満であれば建築確認申請が不要と考えられます。
ただし、実際は事前に役所等でご相談される事をお勧めいたします。
また、確認申請の手続きが不要と言っても建築基準法を守りながら増築・改築・移転を行わなければならない事に違いはなく、当然、増築・改築・移転後の建物は建築基準法の基準に適合していなければなりません。
特に増築後に建物面積が増加しケンペイ率や容積率がオーバーするケースや、壁面後退の規定に合致しない等の問題が発生する事が多くこの場合は違法と言う事になります。
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