最終更新 2006.5.7
旗竿状の土地で、前面道路に幅2メートル接道しています。すでに、そこの土地に家が一軒建っています。
前面道路に、2メートル幅の細く長い道が接道しております。細い道を抜けていくと、向って右側、横長に土地が広がっております。(40坪ほど)土地の右側に、一軒、家が建っております。空いている土地に、新築は可能でしょうか?
よろしくお願い致します。
2メートル幅の細く長い道が「建築基準法上の道」なのか「私道」なのか「建築敷地」なのかで条件が異なります。
まず、この道が「建築基準法第42条2項」のセットバック道路に該当している場合はセットバックする事で建築可能となります。
また、この道が「建築敷地」として他の敷地が接道の為に使用している場合は、その敷地の部分を重複して使用し接道とする事は原則出来ません。(敷地の部分を「私道」として扱う場合もあります。)
さらに、この細長い道が「私道」の場合、「建築基準法第43条1項ただし書き」の「空地」に該当する場合は直接の接道義務は発生しません。
建築基準法 第四十二条 (道路の定義)
この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
[省略]
2項
この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
[以下省略]
建築基準法 第四十三条 (敷地等と道路との関係)
建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。
[以下省略]
建築基準法 第四十五条 (私道の変更又は廃止の制限)
私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第四十三条第一項の規定又は同条第二項の規定に基く条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。
[以下省略]
「建築基準法第43条1項ただし書き」の「空地」とは、例えば大きな公園の中に管理事務所を建てる場合などが該当しますが、派生して建築敷地と道路の間に別の土地が有り、その土地をかいしてしか接道が確保できない場合に、その土地を「空地」として扱い[道路]-[空地]-[建築地]という関係で接道の規定を満たすものとして扱います。例えば私道や水路、河川敷等をかいして公道に接しているケースも「建築基準法第43条1項ただし書き」の「空地」の扱いとなっています。
尚、原則建築基準法では土地の所有権は問いませんので、この「空地」は自己所有では無くともかまいません。ただし「空地」として指定した部分はそれを利用した建物が無くなるまで廃止(別の目的で利用する等)はできません。
例えば私道を「建築基準法第43条1項ただし書き」の「空地」とした場合は、それを利用した全ての建物が無くなるまで「廃止」は出来ませんし、柵などを設置して利用できなくすることも出来ません。そのため土地所有者が異なる場合は所有者全員の同意を取り付けるのが一般的です。
今回の場合では、「細長い道」を私道と解釈して接道を確保する場合になりますが、このような場合では私道の幅員を4m以上確保することを行政指導される事が多く、「細長い道」の向い側の土地がこの空地を利用しなくとも接道が取れている場合は自分の敷地から2mを私道として提供し私道の幅員を合計4mとすることを求められる場合が多く、また、自分の土地と公道との間の他人の土地にも2mを提供してもらい全長にわたって幅員4mを確保する事を求められるのが一般的です。
尚、道路(接道)に関する事や「建築基準法第43条1項ただし書き」の「空地」の適用基準は各行政庁ごとに地域の実情に応じて細かく基準を定め運用していますので必ず行政庁にお問い合わせするか建築設計事務所に調査をご依頼ください。
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