建築用語解説


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 【1.法規編】  - 2.敷地 -

 敷地の接道義務 【しきちのせつどうぎむ】

最終更新 2007.10.30

建物を建てる敷地は建築基準法で認められた道路に2m以上接していなければなりません。これを「接道義務」といいます。この接道が取れていない場合や、取れていても接道する道路が私道や出し合い道で建築基準法上の道路では無い場合等は原則建築不可となります。

ただし、道路が私道や出し合い道等の場合であれば、役所(特定行政庁)の許可を得ることが出来る場合もあります。

この接道の取れていない状況の敷地はバブル期に建設された住宅の敷地に多く見受けられ、中古住宅を買ったものの、接道が取れない為、建て替えをする事が出来ないと言った事態に陥ってしまうケースもあります。建物の建てられない土地の価値は著しく低下しますで、土地の処分も難しくなります。

建築基準法で認められた道路の基準にはいろいろと有りますが、大体、次の様な道路の場合は問題ないと考えられます。

国道、都道府県道、市町村道、大規模な宅地開発地の道路、昭和中頃より以前から建物が立ち並んでいる幅1.8m以上の道路、などはほぼ建築基準法上の道路といえます。

また、建築敷地が道路から離れている場合、土地を柄杓状の敷地形状として道路まで通路(専用通路)を引っ張り接道義務を満たす場合もあります。

尚、3階立て以上の建物の場合や特殊建築物等の場合、条例で制限を付加し、4m以上の接道を求める場合もありますので、注意が必要です。


(敷地等と道路との関係)

建築基準法 第四十三条  

 

建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。次条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。

 

自動車のみの交通の用に供する道路

高架の道路その他の道路であつて自動車の沿道への出入りができない構造のものとして政令で定める基準に該当するもの(次条第一項において「特定高架道路等」という。)で、地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一 の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。次条第一項において同じ。)内のもの

地方公共団体は、特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計。第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により、前項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、必要な制限を付加することができる。

建築基準法第43条1項では敷地は道路に2m以上接することを規定しています。また、ただし書きでは許可を受けた場合に限り別の敷地を経由して接道することを認めています。

このようなケースは敷地が「出し合い道」等を経由して道路に接する場合などが該当します。(「出し合い道」は建築基準法上の道路ではない為、このただし書きの空地扱いになります。)

1項1号、1項2号では、各号に記載されている自動車専用道路高架道路等は建築基準法上の道路とはみなさないと規定しています。

続く2項では一部の建築物について地方公共団体が建築基準法の規定にさらに制限を加えることができることになっており、例えば3階建て住宅などでは制限が付加され、4m以上の接道幅を求められるケースなどがあります。


接道長さの測り方

敷地の接道長さの測り方にはルールが有ります。一見2mの接道がとれているように見えても、許可されないケースもありますので注意が必要です。

接道義務-1
接道義務-2

一般的な接道状況。敷地は道路に2m(ケースによっては4m)以上接していなければ、敷地に建物を建てることは出来ません。

道路と敷地の間に水路等がある場合は幅2mの橋を架ける事で接道を確保することが出来ます。この場合は水路の占用の手続きが必要です。

接道義務-3
接道義務-4

敷地が道路から離れている場合、敷地の一部が通路状に伸びた部分が道路に2m以上接している場合は建築可能です。

敷地の通路状に伸びた部分がそれぞれ1mづつ接している様な場合、それぞれを合計して2mの接道とする事は出来ません。片方のみで2mの接道が必要です。

接道義務-5

柄杓状の敷地の通路の方向と道路が直交していない場合、Bの接道の幅が2mであってもAの幅が2m未満であれば建築不可となります。

Aの部分の幅が2m以上あれば建築可能です。

接道義務-6
接道義務-7

敷地が道路の角に接する場合、敷地の部分がそれぞれ1mづつ接していても、合計して2mの接道とする事は出来ません。片方のみで2mの接道が必要です。

この場合は2mの接道が有ると判断できます。

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