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Q_050 準防火地域での隣家との間隔

最終更新 2012.6.11

以前はアパートが建っていましたが、取り壊し新築の家が建つ事になりました。

私宅は境界から60cm離して家を建てており、以前は隣家も50cm程空けて建てていましたが、今回調べていくと私宅のあるところは準防火地域ですが南側に建設されるという事もあり(私宅2階・隣家3階)出来れば隣家も50cm空けて離して建設して欲しいと思っています。

準防火地域でも50cm空けて欲しいと隣家に主張できるものなのでしょうか? もう1つ、以前は境界からあいた部分をお互いの共有の路地という形で扉をつけ鍵をつけていましたが、今回相手側に入っている部分は取り壊される事になりました。

私宅はその扉を開けてしまうと家の周りが開けっ放し状態になってしまいます。 自分でまた扉などをつけるしかないのでしょうか? どこまで主張できるものか教えてていただけたらと思います。


A_050

50cm建物を離しなさいという法律上の根拠は「建築基準法」ではなく「民法」の規定です。 ただし、民法の規定と異なる習慣があるときは、その慣習に従う事となっています。

また、建築基準法には「防火地域又は準防火地域内にある建築物で、外壁が耐火構造 のものについては、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる。」という規定があり これを、「民法」上の異なる習慣と捉え50cmの規定を適用しない場合があります。

今回の場合であれば外壁を耐火構造の壁とすると50cmの規定の適用除外を主張 する事が出来ると予測されます。 ちなみに耐火構造外壁というのはコンクリート造やブロック造、ALC造の壁のうち建築基準法で 定められた性能を持つものです。

一般に住宅規模の木造建築では耐火構造の外壁とする事が 出来ません。

ですので隣家の新築が木造で行われる場合は50cmの間隔を取る必要がある事になります。

と、ここまで書きましたが、結局、お隣さん同士、円満に問題を解決出来るように互いに譲り合える 妥協点を探し、よく話し合うことが基本になります。 話し合いを行う場合は出来るだけ早い時期に行う方が良いでしょう。

設計内容が決まり建築確認を お隣が取った後では計画変更にかなりの追加費用が必要な場合があり、相談に応じてもらえない 場合も考えられます。(お隣さんと訴訟などという事態は出来れば避けたいですね)

また、敷地境界付近の塀や扉の扱いですが、敷地境界線上にある物は共同所有である事が多く、その場合はお隣さん と話し合った上で撤去及び新設費用は折半での負担として、それぞれの敷地内にある部分はそれぞれ の敷地の所有者が撤去・新設費用を自己負担するのが一般的な判断でしょうか。

個人的な意見ですが、今回の場合は敷地境界線上の扉の撤去+自己敷地内での扉の新設と考えると 扉の撤去・処分費用をお隣さんと折半又はお隣さん負担、新設の扉は自己負担といった所が基本となり そうですね。(全額お隣さんが負担してくれるケースもあります。)あくまでも費用負担はお隣さんとよく話し 合って決めてください。

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