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 敷地の可分・不可分 【しきちのかぶん・ふかぶん】

最終更新 2007.10.30

敷地とは1つの建築物又は用途上不可分の関係にある2以上の建築物のある一団の土地と建築基準法施行令で定められています。

簡単に説明すると、1つの敷地に1つの建物か用途上不可分の複数の建物を建築できるという事です。

1つの敷地には1つの建物というのは、住宅を例に取ると、1つの敷地に2棟の住宅を建てる事は出来ないと言う事になります。

また、用途上不可分というのは、住宅を例にとると、「母屋」と「離れ」のように分けてしまうと両方、又は、片方の建築物が使用用途上の(この場合は住宅)機能が失われるケースが該当します。

「母屋」とは別に、同じ敷地内に「離れ」を建てる場合、その建物が「離れ」かどうかを判断する基準としては、水廻りの3点セット「流し台(キッチン)」「便所」「浴室」の設置状況で判断することが多く、これらが全く無いか、「流し台(キッチン)」「便所」「浴室」の3つの内、1つ、又は2つを設置した場合(様々な判断があるので役所で確認が必要)、この建物のみでは住宅の機能が成立しないため、「離れ」に該当し、同一敷地に建築可能です。また、「流し台(キッチン)」「便所」「浴室」の全てを設置する場合、この建物単体で住宅として機能すると判断され同一敷地に別々に建築することは出来ません。

このような建物単体で住宅として機能する建物を同一敷地に別々に建築するには、この2つの建物をくっつけて1つの建物とするか、敷地を2つに分け別々の敷地とする必要があります。

1つの敷地に2棟の住宅を建てることは出来ない 母屋・離れ等、用途不可分の関係の建物は1つの敷地に2棟の建物を建てることが出来る

このような事態を経験しやすい場合が2世帯住宅を建てる場合です。

2世帯住宅の場合それぞれに「流し台(キッチン)」「便所」「浴室」がある場合が一般的です、 別棟で2世帯住宅を建てようとすると必ず敷地を分けなければなりません。また1つの建物として2世帯住宅を建てる場合、親世帯部分と子世帯部分は室内で行き来できる場合に限り 「住宅(2世帯住宅)」としての法規制の対象となり、行き来できない場合は「集合住宅」扱いになり、法規制が「住宅」の場合よりも若干厳しい規制の対象となります。

2世帯住宅等では建物が接していれば1棟として扱われます。 1つの敷地に建物を2棟建てる場合は敷地を分割する必要が有ります。

さらに、敷地を分割する場合は、それぞれの敷地が接道義務等の法規制を満たしている事が必要で、分割する敷地に既に建物(既存建物)がある場合は、建ぺい率・容積率といった規制に敷地分割後も既存建物が適法である必要があります。

尚、敷地のある土地の権利関係は特に建築基準法では問われていないため、法務局の公図の敷地形状と建築敷地の形状は合致する必要は無く、敷地を分割するといっても原則としては法務局で敷地を分筆する必要は有りません。(※1)

(※1)主に市街化区域内の場合。市街化調整区域内の建築は多くの場合、許可の必要な開発行為に該当する為「都市計画法」に定められた手続きが必要であり分筆が必要な場合があります。

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