住宅建築の質問集


Q_005 ルーフィングの役割

最終更新 2005.5.1

はじめまして。現在建築中なのですがHPを拝見させて頂き疑問に思う事があるので質問させて下さい。現在屋根工事ではアスファルトルーフィングが敷かれ瓦取り付け桟が付いている状態です。

先日大雨がふり2階に上ったところアスファルトルーフィングが貼ってあるにも関わらず数箇所雨が垂れていました。

外壁には隙間があるのでそこからの吹き込みなら解るのですがシ-トの間にパッキンをし釘打ちをした場合雨が室内に入ることはあるのでしょうか? その後瓦が屋根の上に準備され板金工事も終わっていますが5日経っても屋根葺きが始まりません。瓦が乗ったまま又梅雨空が戻り今日から雨が降り始めました。屋根葺きのタイミングと天気の関係はあるのでしょうか?

そもそもアスファルトルーフィングは瓦下の隙間に入り込んだ水を屋根内に入れず外に流すものだと思っていたのでこの時点で雨漏りがしているのはなんだか納得できないのですが・・・

通常アスファルトルーフィングをボードに直接釘打ちしないためにパッキンを使用すると聞いていますがどのような施工なのでしょうか?

屋根は基礎同様大切な場所とお伺いしていますのでどうぞよろしくお願いいたします。


A_005

まず、ルーフィングの役割ですが、おっしゃるように「瓦下の隙間に入り込んだ水を屋根内に入れず外に流すもの」で正解です。しかし、一般にルーフィングの防水能力はあくまでも瓦と協力して発揮されるものと考えられ、ルーフィング単体では十分に発揮でません。

というのもルーフィングの施工は屋根の水下側から貼り始め水上側のルーフィングを重ねて(上下(流れ方向)の重ねは100ミリ以上、左右は200ミリ以上ということになっています。)タッカー釘(ホチキス針の大きい物)により300mm内外間隔で固定するのが標準になっていますが、このような固定方法ですから、重ね代の部分には必ず隙間が有り、ルーフィングに直接大量の雨水がかかった場合(特に吹降りの雨の時などは)容易に雨水が侵入します。

またパッキンや、防水テープを併用する工法でも考え方は同じで、ルーフィングは完全防水仕様で施工されるものではありません。

また、実際の屋根ではルーフィングの上の瓦がまず雨水や風を処理し、瓦が処理できなかった雨水や風をルーフィングが処理する事になりますので、ルーフィングの負担は大幅に軽くなり、このような施工でも十分に防水層としての性能を発揮する事ができます。

ここまで書いた事は、一般的なルーフィング防水層の考え方ですが、ルーフィングは様々なメーカーから発売されており、仕様も施工方法も若干異なりますので、確実に施工されているかどうかはメーカーから施工要領資料を取り寄せ実際の施工と照らし合わせることが必要です。

次に、ルーフィング施工から瓦施工までの間隔ですが、これは当然出来るだけ早くと言うことになりますが、ルーフィングの施工が終了していれば大雨の場合を除き雨水の侵入を防ぐことが出来ますので、工事手配の都合で間が開くことが多々あるようです。瓦の施工は危険を伴うために雨の時や雨の直後でルーフィングが濡れている時にには行いません。梅雨のこの時期は瓦の施工業者さんも複数の現場のやりくりで予定が立ちにくいのが現実です。

ただし、気を付けておかなければならないことに、ルーフィング施工後、瓦固定用の横木を打ち付けた場合は雨が降るとそこに水が溜まることがあるため、速やかに瓦を施工するか、できないのであればブルーシート等で養生しておかなければなりません。

ルーフィングは、あくまでも仕上げ防水のバックアップです。瓦や谷樋などの屋根仕上げの維持管理が雨漏り対策の基本となります。

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