最終更新 2007.12.17
「16.基礎工事」の工事工程の中で、
”フーチング基礎のコンクリート打設”→”基礎立ち上がりの型枠組”→”基礎立ち上がりのコンクリート打設”
と工程を踏んでいきますが、フーチング部コンクリートから立ち上がりコンクリートまでの日数はどの程度空けるのが理想なのでしょうか。
フーチング基礎表面が硬化してから立ち上がり部のコンクリート打設をするのは、強度的に弱くなると素人の私は考えますが、実際のところ、期間がずれても強度問題や接合部からの雨の侵食の問題とはならないのでしょうか。
ご質問の通り、フーチング基礎表面が硬化してから立ち上がり部のコンクリート打設をするのは、強度的に弱くなる事になります。このような不連続な接合部を「コールドジョイント」と呼びコンクリート施工上の欠点の一つとなっています。
しかしながらコンクリートの型枠をおこしコンクリートを流し込むという施工手順上、コンクリート工事では「コールドジョイント」が必ず発生します。実際は設計時に構造上、防水上支障の無い位置に打継ぎ面を設定し欠陥とならないようにします。
ところでコンクリートはたとえ「コールドジョイント」という欠陥が無くとも元々コンクリートを引き千切るような力(引張力)には脆いという特徴があります。そこで基礎で使用する場合は引張力に対して強い鉄筋をコンクリートの中に入れることで欠点を補っています。このような施工を鉄筋コンクリート(RC)と言っています。
通常、基礎立ち上がりの縦の鉄筋は基礎フーチングの中まで埋めこまれていてこの事により、基礎立ち上がりとフーチングの一体性が確保されています、その為フーチングと立ち上がりの打継ぎ面は構造上の欠点とはされていません。
ただし、打継ぎ面からは漏水の可能性がある為、住宅のベタ基礎の場合ではコンクリート土間の天端=打継ぎ面を周囲の地面より5cm以上上げて施工することになっています。
また、フーチング部コンクリートから立ち上がりコンクリートまでの日数は特に基礎の強度には直接影響しませんが、何ヶ月も時間が空くと鉄筋の錆が進んでしまいますのであまり良くないかもしれません。さらに、フーチング部コンクリート打設後人が乗れる程度に硬化が進めば型枠を組む程度の事であれば施工しても大丈夫です。
逆に、コールドジョイントを防ごうとすると、コンクリートの打設間隔を数10分〜1、2時間(気温によります)以上は間隔を空けられませんので、立ち上がりの型枠を組む工程が有る以上コールドジョイントを防ぐ事はできません。防ぐ為にはフーチングと立ち上がりを同時に打つ必要があります。
という事で、住宅の基礎であれば基礎全工程で2週間程度であれば特に問題は無いでしょう。
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