設計のプロセス解説 


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 2.敷地地盤調査 

最終更新 2006.1.26

【 敷地地盤調査とは 】

住宅事情により造成地の軟弱地盤や傾斜地の住宅が増加した現在では地盤沈下や不同沈下・圧密沈下を未然に防ぐため地盤調査により地盤の良し悪しといった性状を正確につかみ、地盤改良の必要性の有無等を調べ確実な基礎計画を提案するための資料を作成します。

一般に住宅等の重量の軽い建物では基礎直下の地盤によって直接基礎を支えるため、SS試験(スウェーデン式サウンディング試験)を敷地内の数箇所で実施し基礎直下の地盤の良し悪しを確認します。

よく「住宅の基礎はべた基礎布基礎のどちらが良いか」と基礎の選択に迷うという話を聞きますが、実際のところ「布基礎かベタ基礎か」は重要ではありません。建築基準法では基礎の選択に関して地盤の地耐力の値によって次の表の様になっていますが、30kNを下回る場合は地盤改良によって30kN以上を確保する方が地盤の不同沈下対策としては確実です。

地盤の地耐力 (kN/平米) 採用できる基礎の種類 備考
20kN未満 基礎杭 地盤改良を行った場合は改良後の地耐力
20kN 〜 30kN未満 基礎杭・ベタ基礎
30kN以上 基礎杭・ベタ基礎・布基礎
 

【 敷地地盤調査のながれ 】 

通常、宅地程度の範囲であれば1日程度で終わります。調査結果は後日、報告書にまとめて建て主さんに報告します。


標準貫入試験

我が国では最も普及しているサウンディング試験です。直径5.1cmの円筒型のサンプラーを、すでに試掘したボーリング孔底に下ろし、63.5sのハンマーを落下高75cmで打ち込んでいき、サンプラーが30cm貫入するのに必要な打撃回数を数えます。この値がN値と呼ばれるもので地盤を判定する基本的な数値となります。地盤を表わすデータと伴に土質試料も採取できるため広く採用されている地盤調査方法です。

主に基礎杭を採用する重量の重い鉄筋コンクリート造や鉄骨造の建物で実施します。


スウェーデン式サウンディング試験

直径19mm、長さ1mのロッドにドリル状のスクリューポイントを取り付けたものに、100sの荷重をかけて回転させることにより地中に貫入させていきます。100sの荷重でロッドが急速に沈んでいく場合は荷重を減らすことによって計測していきます。

標準貫入試験より簡易で、地盤の軟弱層に敏感なため、一般住宅建築用によく用いられる地盤調査方法です。同一敷地内で数本測定することにより、敷地内の地盤の強さのバラつきなどもつきとめることができ土の判別や地下水位の測定も可能です。

主に木造建築物などの軽い建物で直接基礎直下の地盤で建物を支える基礎形式の場合に採用します。

地盤調査で得られる資料
土質(粘性土・砂質土、シルトなど) 長期許容支持力(qa)
水位(G.L〜○○m) 敷地の推定地層
N値  
 

【建て主さんの段取り】

特には有りませんが、地盤調査の費用は基本料金+調査箇所数で決まる為、調査箇所数を減らして費用を安く済まそうとされる方がたまにおられます。住宅の基礎は地盤の強度の変化に反応しやすく地盤の強度分布が一定では無い場合は不同沈下をおこす事もあり、調査ポイントは建物の建つ範囲内では、例えば真ん中と両端など数箇所を試験した方が安心です。

不同沈下を起こした建物の補修費用は調査ポイント数箇所分の費用では到底収まりません。備えあれば憂い無しです。


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