最終更新 2006.4.03
基本設計が大方まとまり承認を頂いた時点で、建築士業務委託契約を結びます。
本来契約は、最初に敷地調査の以来を受けた段階で結ぶのが設計事務所としては理想的ですが、実際の所は建て主さん、設計者の相方が十分信頼関係を構築したと思われるこの次期に契約を結ぶのが一般的です。
たまに、十分信頼関係が出来あがったからと言って正式な契約を結ばない場合もありますが、建て主・設計士相方の「けじめ」の意味や、予期しないトラブルを避けるためにも契約書を交わすことは重要です。
建築士業務委託契約を結ぶ意味は、設計・監理業務の内容を委託者に説明するとともに、お互いの責任と権利・義務をあらかじめ明らかにすることであり、建て主さんとの相互の誤解によるトラブルを防ぎ、建て主さんの満足度を高めることにあります。
実際の住宅建築工事では、工務店や不動産業者の下請けとして設計事務所が家創りに参加し設計・監理業務を行う事が多い為、この契約を結ぶ機会は余り経験しないのが普通です。住宅の場合建築士業務委託契約を結ぶ事があるのは直接設計事務所に設計・監理を依頼した場合のみと言えます。
一般に建築士業務委託契約を結ぶ場合では、例えば監理業務等の場合、建築基準法で定められた「工事監理等の業務」より広範な業務内容を取り決めしている事が多く、建築士業務委託契約を結ばない工務店や不動産業者の下請けとしての設計事務所の「建築基準法の範囲内」の監理業務より多くのサービス(労務提供)を受けることができます。
尚、契約書の種類は委託を受ける業務の内容や範囲により「建築設計・監理業務委託契約書」、 「建築設計業務委託契約書」、 「建築監理業務委託契約書」といった種類があります。
ちなみに工事施工者と結ぶ「工事請負契約」と「建築士業務委託契約」は全く別の契約です。この2つの契約を建て主さんがそれぞれ結んだ場合は、建て主さんは、工事業者と設計事務所を別々に雇った事になり工事業者と設計事務所は自分の結んだ契約に基づき相互に監視と助言を行う関係となります。
この場合、例えば国の司法・行政・立法の三権分立の様な関係が、建て主さんを含んで形成されます。(実際は建築士業務委託契約を結んだ場合は設計事務所は若干建て主さん寄りになる傾向が強く、建築士業務委託契約を結ばない場合は工務店や不動産業者寄りとなるのが通常です。)この仕組みが欠陥住宅等のトラブルを事前に防ぐ為に現状では最良の方策と言われています。
(1) 業務委託契約書
件名、建設地、建築物の用途・構造・規模、委託業務内容、業務の実施期間、業務報酬の額及び支払時期、特記事項を明示する。
(2) 業務委託書
設計業務及び監理業務の内容を具体的に記述する。
(3) 業務委託契約約款
委託者・受託者の責任、権利・義務、業務履行の経過で起こる問題への対処方法等を明示する。
契約書は、社団法人 日本建築士会連合会から市販されている契約書を使用する事が多い様です。
通常、契約書は建築設計事務所が作成し用意します。尚、契約用印紙代は建て主さんと設計事務所で折半が一般的です。
契約時の注意点についてはどんな契約でも同じですが、契約に際して添付された書類を十分に目を通し書類をひとつひとつ丁寧にチェックしましょう。
契約書の内容に間違いや不明な点はないか、金額は正しいか。また万が一のときの約束ごとや対処法なども記載してありますので、契約前にしっかり内容を把握してください。
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