現場監理のプロセス解説 


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 33.アフターケア 

最終更新 2003.10.15

【 アフターケアとは 】

建物に問題個所がある場合、建物が完成して最初の数年間の間に問題が露見してくることが多く、また竣工検査時に気付かなかった問題も、住み始めてみると気付くこともあります。そのような場合は、設計者なり施工者に連絡して対処して貰います。不具合の原因が設計者・施工者の過失の場合は設計者・施工者負担で補修します。補修の内容によっては設計者・施工者の保険から費用が支払われることもあります。

また、最初の2,3年に数回は特に問題が無くても設計者・施工者側から建物の状態のチェックに訪問することもあります。多くの設計事務所が定期的に状態を確認に訪れます。建て主の住まいに対する感想はその後の設計に大いに役立つためです。


【 納得の家 設計・監理のツボ 】

戦後日本の住宅の寿命は30年程度と言われています。これは戦後、日本の住宅の工法が大きく変化し新しい工法で建てられた家が、実際の日本の風土の中で試され、様々な予想外の問題に直面してきたためです。

また、ただ雨風をしのげれば良い家から、高度成長時代を経て、平成の不況の時代に至り住宅に求める価値観も大きく変化しました。そのような経緯の中で技術的問題に関してはかなりの試行錯誤の末に問題が整理されてきています。

今では、確実、丁寧な設計・施工監理の実施で昔の日本家屋の様に100年以上住める住宅も夢ではありません。

しかし、100年住める家と100年メンテナンスフリーの家は同じ意味では有りません。100年住める家とは住み手が維持管理し易い長持ちする家です。そもそもメンテナンスフリーの家などは有りません。

また、100年すめる家とは100年間におきる生活や家族構成の変化など様々な事柄に対応できる、設備的・構造的余裕の有る家です。

ところで、100年となると、もう設計者も工事施工者もいなくなっているでしょう。そんな中で家の維持管理の際に重要になってくるのが詳細な図面や施工時の写真等の資料です。設計士が作成する何十枚もの図面は建物が建った後も家の為の大切な判断資料になります。

その一方、今だ世の中にはびこるロークオリティー住宅(現場無視のローコスト住宅)は施工する側も「30年もてば良い」と言う感覚で建物を施工しています。挙句の果ては「30年もしたらもう仕事してないからその先のことはどうでもいい」とともいっています。

ロークオリティー住宅にはびこる、この考え方が欠陥住宅の生まれる温床となっています。

「100年住める家を創って下さい。」建て主のその一言が欠陥住宅を防ぐ最初の一歩となります。


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