欠陥住宅と工事監理



トップページ > 気になる家の話題 > 欠陥住宅と工事監理  [2.欠陥住宅防止の対策と保証]

 建築士と設計・施工監理 

最終更新 2003.10.15

建築士の業務の細かい内容を規定している建築士法では、建築物の安全性などの質の確保を図るために、原則として建築士が設計・工事監理を行わなければならないこととなっています。建築士には一級建築士、二級建築士及び木造建築士の3種類の資格があり、建築物の規模、用途、構造に応じて、それぞれ設計・工事監理を行うことができる建築物が定められています。

建築基準法では、建築士法に違反して設計された建築物についての確認申請書の受理や工事の施工を禁止しています。


 
1級建築士が設計・工事監理を行える建築物 すべての建築物。
2級建築士が設計・工事監理を行える建築物 (例)
高さが13m又は軒の高さが9mを超えないもの。
鉄筋コンクリート造、鉄骨造等で延べ面積が300uを超えないもの。
木造建築士が設計・工事監理を行える建築物 (例)
2階建てまでの木造建築物で延べ面積が100uを超え300u以内のもの。
 

 設計とは 

「設計」とは建築士法では、設計図書を作成することとされています。設計図書とは建築工事実施のために必要な図面と仕様書のことです。

この設計図書が適切に作成されていなければ、その設計図書に基づいて行われる工事監理業務に支障が生じることとなります。

安全で安心な建築物を建てるためには、建築士に設計を依頼し、適切な設計図書を作成してもらうことが必要といえます。


 工事監理とは 

「工事監理」とは建築主の立場に立って工事を設計図書と照合し、工事が設計図書のとおりに実施されているかどうかを確認することです。

この工事監理は、建築物の安全性等を確保するためには確実に実施されなければなりません。

そこで、建築基準法では、工事監理者を定めなければならないと定められています。また、中間検査や完了検査の申請の際には申請書の中に工事監理の状況の報告を記載しなければならないこととなっています。

したがって、建築士に工事監理を依頼し、その内容を報告してもらう必要があります。


 
工事監理の標準的な業務内容 設計意図を施工者に正確に伝えるための業務
施工図等を設計図書に照らして検討、承講する業務
工事が設計図書通りであることの確認をする業務
工事監理報告書・関係図書の建築主への提出
 

 欠陥住宅と保証 

最終更新 2003.10.15

あなたの家が欠陥住宅だった場合、その修繕費用はどこに請求したら良いのでしょうか。

これは欠陥住宅の法的責任はどこにあるのかと言うことですが。例えば「中小不動産住宅販売業者」で住宅を建てた場合では、「不動産住宅販売業者」が故意に欠陥施工を指示した場合や欠陥住宅と知っていて販売した場合を除き、原則は工事施工者と工事監理者の責任と言う事になります。

たとえ「不動産住宅販売業者」が工事業者や設計者に不当に値引きを要求し、その結果手抜き工事になったとしても手抜き工事を指示した訳ではありません。

ここで問題なのが下請け工事業者や下請け設計者は、もともと赤字ぎりぎりの価格で仕事を受けていて、少ない利益の中で高額な修繕費用を支払う資金力は無いと言う事です。そんな請求がくればたちまち倒産・破産でしょう。

当然、あなたは修繕費用を受け取ることは出来ないという事態にもなりかねません。

そこで、工事業者には「住宅性能保証制度」とい保険制度があり、建物の瑕疵(欠陥)を引渡しから10年間保証し、欠陥が生じた場合の修繕費用を保険で支払らう制度です。この保険は個々の建物ごとに保険を掛けますので、工事業者が倒産しても保証期間内であれば保証されます。

また、設計者には「建築士賠償責任保険」という保険制度がありこれは、設計士の過失で賠償責任が発生した場合にその費用を保険で支払う制度です。

工事施工者や設計・監理者がこのような保険に加入していれば、修繕費用の回収は可能ですが、「悪徳業者」の中にはこれら保険の費用さえ省き、保険に加入しないことも多々あります。

どのようなルートで住宅を発注するにしても、これら保険の有無の確認は建て主の自己防衛のために不可欠な事柄です。


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