バリアフリー住宅を考える



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 高齢者・障害者の身体特性 

最終更新 2005.5.25

加齢による障害

加齢とは「年をとる」という意味です。また老化とは、加齢と共に進行する生態の衰退現象をいいます。老化は、記憶力の減退や、視力や聴力の低下、運動能力の低下として現れます。

加齢による心身の変化は様々な疾患や障害を伴う事が多く、高齢者に配慮した住宅を考える場合は、加齢による変化、様々な障害の状態や個人差を十分理解することが重要です。


加齢による障害に対する一般的な配慮

加齢とともに身体機能が低下するので、段差をつくらないようにし必要箇所に手すりを取り付けます。また、五感が低下するので、聴覚障害、視覚障害にも配慮します。

急激な温度変化に対応できないので、住宅内の温度が一定になるよう考えましょう。特に便所や洗面・脱衣室などの部屋は他の部屋との温度差が発生しやすい為、十分に配慮が必要です。

新しいものへの適応に時間がかかるので、慣れ親しんだ家具等を建築に生かすように工夫しましょう。

加齢による障害の特徴
身体機能の低下 骨がもろくなり、骨折しやすい。
動作の反応時間が長くなり、敏捷性が低下する。
脚力等の低下により歩幅が狭くなり、すり足歩行になる。
感覚的機能の低下 平衡感覚が低下し、転倒しやすい。
温冷感知能力が鈍る。
五感(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚)の低下。
生理的機能の低下 睡眠時間が短く、目を覚ましやすい。
腎機能低下による排尿困難、失禁、頻尿
心理的機能の低下
精神的機能の低下
物忘れが多い。
リタイア、配偶者との死別等で孤独感が強い。
過去への愛着が強く、新しいものへの適応に時間がかかる。
日常生活の変化 余暇時間がある。
住居内滞在時間が長い。
社会的行動範囲が縮小する。
 

車いすを使用している場合の一般的な配慮

車いすを使用している場合、段差や階段は乗り越えられないので、スロープ、段差解消リフト、またはエレベーターを設置しましょう。

車いすのスペースが必要となるので、廊下や出入口を広めにしましょう。

車いを使用者の特徴
自力で車いす使用 両下肢マヒ又は片マヒ等で自分で車いすを操作し使用可能であるが、高いものが見えにくく、届かない。
介助により車いす使用 運動マヒの程度や感覚障害などで車いすを操作できない。
重度の介助が必要 身体障害のため寝たきり状態、重度の介助が必要。
 

耳が不自由な場合の一般的な配慮

聴覚や言語に障害がある場合、音や言葉による情報の入手コミュニケーション活動に制限を受ける事になります。

外見上、障害のあることが解りにくいことから、必要な援助を得にくい場合もあります。

音が聞こえにくいので、光や振動で危険を知らせる工夫が必要です。また、目をよく使うので、壁の色は目の疲れにくいもの、照明は明るくてやさしいものにしましょう。

耳が不自由な場合の特徴
音が聞こえにくい
(聞こえない)
危険がわかりにくい。
音声言語による会話が難しい。
大きな音をたてても気付きにくい。
音が聞こえにくいため視覚による情報を求め、目が疲れやすい。
 

目が不自由な場合の一般的な配慮

日常生活上での行動の大半は視覚的判断により行っている為、視覚に障害が起きると行動の自由が制限され活動できる範囲が狭められる事が多く、周囲の人は視覚障害を十分理解し障害者の自立を側面から援助することが大切です。

目が見えにくいので、音や振動で危険を知らせる工夫が必要です。

弱視の人は暗くなると急に見えなくなることがあるので、照明を明るくするよう配慮しましょう。

目が不自由な場合の特徴
目が見えにくい
(見えない)
危険がわかりにくい。
外出すると自宅の位置がわかりにくい。
同一素材の場合、床の境界等がわかりにくい。
杖で危険を察知し歩行する。
盲導犬と共に歩く。
 

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