最終更新 2003.11.10
地盤の良し悪しは地盤調査でかなりの事がわかります。これから家を建てる土地がすでに自分のものであれば地盤調査を実施すれば良いのですが、これから家を建てる土地をさがしている場合、土地購入前にそうそう地盤調査を行う訳には行きません。しかし、地盤に問題がある場合はその対策費用が建物とは別にかかります。そこで、ここでは地盤の状況を周辺状況から読みとる方法を説明します。
その場所の地名は地形に由来するものが多く、敷地付近の地名を調べることにより建築地の地形を推測できる場合があります。
田のつく地名(旧田地) |
宇田【ウダ】、江田【エダ】、勝田【カツタ】、蒲田【カマタ】、 |
戸田【トダ】、仁田【ニタ・ニト】、額田【ヌカタ】、沼田【ヌタ】、 | |
法田【ホダ】、八田【ヤタ】、新田【シンデン】、など。 | |
低湿地を表す地名 |
阿戸【アト】、阿部【アベ】、芦原【アワラ】、勝俣【カツマタ】、 |
当間【タイマ】、詫間【タクマ】、戸部【トベ】、 | |
美土路【ミドロ】、矢野【ヤノ】、矢原【ヤハラ】、淀【ヨド】、 | |
阿久津【アクツ】、など。 | |
その他水辺の動植物・構造物に関する地名(低湿地) |
蓮、蒲、葦、芦(吉)、鷺、鶴、亀、鵜、橋、船、堀、堤、など |
谷のつく地名(山間の低湿地) |
谷地【ヤチ】、谷津【ヤツ】、谷戸【ヤト】、など。 |
新田開拓地等を表す地名 |
沖【オキ】、興野【コウヤ】、小森【コモリ】、 |
新屋敷【シンヤシキ】、田代【タシロ】、地先【チサキ】、 | |
羽立【ハダチ】、別所【ベッショ】、別府【ベフ】、など | |
砂州・干潟 |
伊佐【イサ】、砂子【イサゴ】、鹿田【シカ】、州【ス】、 |
手間【テマ】、由左【ユサ】、由良【ユラ】、など。 | |
崖地を表す地名 |
小豆沢【アズ】、阿曽原【アゾ】、阿保【アボ】、宇津【ウツ】、 |
干【カレ】、賀露【カロ】、鍵掛【カンカケ】、久江【クエ】、 | |
出谷【ダシ】、津江【ツエ】、黒薙【ナキ】、抜谷【ヌケ】、 |
日本建築学会の資料より
建築予定地に立ったとき、「景色や周辺環境は良いか。」とか「日当たりは良いか。」といった事は誰もが良く確認しますが、地盤のことは気になっていても何処を見たら良いか解らず、中途半端に確認したまま土地を購入してしまうことが多いようです。後々擁壁や地盤に問題が見つかり対策費用の追加が必要になったり、土地販売業者と裁判を起こす事になったりする例が少なくありません。軟弱地盤の周辺では様々な場所に問題が顔を覗かせているものです、注意深く観察してみてください。
【敷地の片方が擁壁か崖地でもう片方が平坦地】
⇒ 埋立地やゆるい軟弱土で構成されていることが多い。
【道路のうねり・電柱の傾き・つぎはぎだらけの道路】
⇒ 地面が軟弱で水のような動きをしている事がある(不同沈下は家の沈没)
【大きな木の無い草や潅木などだけのだだっ広い土地】
⇒ 軟弱地盤や地下水位が高いと木の根が十分にはれない為、木の背も低いことが多い。
【雨の日に土地の良否を見極める】
⇒ 水はけが悪くすぐに水の溜まる地盤は常に湿気のある軟弱地盤の場合がある
【近所の建物を眺める】
⇒ 土間コンクリートやブロック塀、基礎や犬走りに亀裂があると、軟弱地盤の場合が多い
【擁壁を調べる】
⇒ 擁壁の変形、沈下はその上の土地を変形させ、建物に重大な問題を引き起こす。
日本建築学会の資料より
市区町村役所では昭和35年頃以降の航空写真を見ることができます。たとえば、航空写真上でその敷地を見ると、以前は池、沼などであったり、田畑であったりすれば調査が必要と判断できます。
また国土交通省の試験サービスで昭和49年以降の航空写真の一部が公開されています。URLは下記の通りです。
リンク・・・【国土情報ウエッブマッピングシステム(試作版)】 http://w3land.mlit.go.jp/
敷地地盤調査 -設計のプロセス解説-
住宅事情により造成地の軟弱地盤や傾斜地の住宅が増加した現在、地盤沈下や不同沈下・圧密沈下を未然に防ぐため 地盤調査により地盤の性状を正確につかみ、地盤改良の必要性の・・・・
地盤改良工事 -現場管理のプロセス解説-
地盤調査の結果をもとに、実施設計で計画された現場地盤の補強を行います。地盤の状況や建物の計画に応じて、表層地盤改良工法、小口径鋼管杭、柱状改良杭工法などの工法が・・・・
土地探しのツボ -気になる家の話題-
家創りの最初の一歩は土地選び・土地探し。ここで失敗すると後々思わぬ問題や出費が起きる事も・・・。そうならないように土地選びのツボをお教えします。
地震対策と耐震補強 -気になる家の話題-
木造住宅、特に在来工法は耐震性能に劣るのでは?と質問される事が良くあります。「そんな事はありませんよ。」といつも答えるのですが、にわかには納得出来ないようです。このHPをご覧の・・・・
欠陥住宅と工事監理 -気になる家の話題-
相変わらず「欠陥住宅」の話がTV等で紹介されています。・・・悪徳業者は「建て主は無知だから手を抜いてもわからない。」「安くて良い家なんて出来る訳が無い。」、「欠陥住宅にしたくなかっ・・・・
Q_029 鉄筋コンクリート基礎のかぶり厚さ その1 -住宅建築の質問集-
現在上棟まで進みましたが、フック付きのたて筋の為、基礎立ち上がりのかぶりが3センチか場所によっては3センチ未満の状態がありまして・・・