最終更新 2004.7.8
建築法規は完璧な物かと聞かれると答えは「NO」です。
実のところ法解釈に幅が有る部分が多々あり、地域によって運用の内容に違いが有る場合もある為、設計士と役所担当者が解釈の違いから口論になるケースも見受けられます。
また、その内容が一般常識とずれている場合もあり、知らず知らずの内に違法建築になっている場合があります。
少し例を書きますと・・・
■法22条地域内のカーポート・バルコニーの樹脂製の透明屋根 ⇒ 違法!!
法22条の指定を受けた地域では屋根を瓦や金属板などの不燃材料で葺くことを求めています。そのため樹脂製の屋根は可燃材になり違法となります。
ちなみに殆どの市街地がこの法22条の指定を受けていますので、大抵のカーポートやバルコニーの樹脂製の屋根は実は違法ということになります。
また、カーポートは建築面積に算入するのが一般的な解釈ですので確認申請時に無いカーポートの屋根を後付けすると建築面積が規定値より大きくなり違法となる場合があります。(容積率、延べ面積にも算入されますが、車庫緩和が適用になり無視しても問題はあまり有りません)
■ロフトや小屋裏収納に固定の階段を付けた ⇒ 違法!!
ロフトや小屋裏収納は一般に建物の床面積や階数に入れませんが、面積が直下階の半分以上あったり、天井高が1.4m以上あったり、固定階段を付けると階数や床面積に算入します。これでは2階建て+ロフトの建物が3階建てと判断されてしまい2階建てより厳しい法規制を受けることになります。
※奈良県の例、ちなみに奈良県では、つい最近までロフトは階数に算入とされており非常に困っておりました。
また、リフォーム時に建物が違法になるケースも多く、面積が増え建ペイ率や容積率の違反となるケースはよく見られます。この場合、構造関係の規定を全く無視している場合もあり問題です。
最終更新 2004.7.8
建築関連法令は書店でも売っています。(3000円くらい)
また、インターネット上で無料で閲覧可能です。
総務省行政管理局 http://www.e-gov.go.jp/ から
電子政府の総合窓口 > 専門データ-ベースの利用 > 法令データ提供システム
と進んでください。
建築基準法 建築基準法施行令 都市計画法 都市計画法施行令 等のキーワードで検索ください。
建築用語解説 1.法規編
- 1.都市計画 -
j_11_01 都市計画法 【としけいかくほう】
都市計画法は、都市計画の内容及びその決定手続、都市計画制限、都市計画事業その他を定めることにより、都市の健全な発展と秩序ある整備を図り・・・・
j_11_02 用途地域 【ようとちいき】
用途地域とは都市計画区域内のどのエリアにどんな建物を建てられるかまた建てられないかをエリアごとに定めた都市計画法の規定のことです。・・・・
j_11_03 市街化調整区域 【しがいかちょうせいくいき】
市街化調整区域は都市計画法をもとに定められてい、市街化を意図的に抑制するエリアです。イメージとしては田、畑などがたくさんある農村地帯が・・・・
- 2.敷地 -
j_12_01 敷地の接道義務 【しきちのせつどうぎむ】
建物を建てる敷地は建築基準法で認められた道路に2m以上接していなければなりません。これを「接道義務」といいます。この接道が取れていない場合・・・・
j_12_02 敷地のセットバック 【しきちのせっとばっく】
敷地の接する道路が、「昔(基準時以前 ※1)から建物が立ち並んでいる幅1.8m以上の道路」に該当し道路幅が4mに足りない場合、建築基準法では・・・・
j_12_03 敷地の可分・不可分 【しきちのかぶん・ふかぶん】
1つの敷地に1つの建物か用途上不可分の複数の建物を建築できるという事です。1つの敷地には1つの建物というのは、住宅を例に取ると、1つの敷地に2棟の・・・・
j_12_04 敷地の面積 【しきちのめんせき】
敷地面積について整理しますと、「敷地の水平投影面積」というのは敷地が斜面地の場合でも空から水平に見下ろした広さを敷地面積とするという決め事で・・・・
j_12_05 敷地の建ぺい率 【しきちのけんぺいりつ】
建ぺい率とは、建築面積を敷地面積で割った数値をパーセントで表したもので、その敷地に対してどれだけの割合まで家を建てることが出来るかを検討する場合・・・・
j_12_06 敷地の容積率 【しきちのようせきりつ】
容積率とは、建物各階の床面積の合計(延べ床面積)を敷地面積で割った数値をパーセントで表したもので、その敷地に対してどれだけの規模まで建物を建てることが・・・・
j_12_07 外壁の壁面後退 【がいへきのへきめんこうたい】
壁の壁面後退は敷地の周囲から一定の範囲内に建物や建物の部分がかかる事を規制するものです。一定の規制範囲を設けることにより住戸間の間隔を離し、建物が・・・・
- 3.建物 -
j_13_01 小屋裏収納とロフト 【こやうらしゅうのうとろふと】
平成12年の建築基準法の改正で小屋裏の収納の大きさが、小屋裏収納を設置する階の床面積の8分の1が上限であったものが、現在では2分の1まで引き上げられ・・・・
住宅建築の質問集 建築基準法のQ&A
Q_002 建築確認申請と小屋裏収納
二つの会社と話をすすめております。その中で、小屋裏利用で2階建てと3階建てのどちらで建築申請するか悩んでます・・・・
Q_015 建築の完了検査の後付け申請
建築工事完了後かなりの日数が経過した場合でも(半年くらい)、検査済証の交付を受けることは可能なのでしょうか?建築の完了検査は、工事が終了・・・・
Q_019 完了検査後の違法部分の取扱い
新築マンションを購入したのですが、メゾネットタイプで屋内に階段があります。内覧会の時に気づいたのですが、階段の上から5段分が両側壁に・・・・
Q_036 都市計画区域外の地域の建物
私の両親が所有している土地は、都市計画区域外で新築の際の申請は必要ない地域です・・・・
Q_040 建築確認申請の必要な建物
物置(小屋)を建てたいのですが、何平方メートル以下なら建築確認申請は必要にならないのですか・・・・
Q_008 柄杓状の土地
土地の事で、お聞きしたいのですが、4区画の土地で前に2棟後ろに2棟の分け方で後ろの土地は土地の真ん中の幅6mの土地を3mづつ分け、私道として・・・・
Q_016 建物の敷地境界からの距離
民法234条1項では建物を建てる場合は敷地境界線から建物を50cm以上離して建てるよう規定しています。続く2項では、隣地の所有者の権利を規定し・・・・
Q_020 法42条2項道路(セットバック道路)の取扱い
現在土地の購入を迷っております。間口9mで、西南の2方向で道路に接しております。西側は9m、南側は30m接しているのですが、南側は1.8m幅の道路・・・・
Q_025 法43条ただし書きの空地
前面道路に、2メートル幅の細く長い道が接道しております。細い道を抜けていくと、向って右側、横長に土地が広がっております。(40坪ほど)土地の・・・・
Q_038 非線引都市計画区域の確認申請
「接道」と「非線引市街化区域」の建築許可について質問させてください。1mの水路を挟んで幅員3.8mの県道と接した土地に建築物を・・・・
Q_039 敷地境界の確定と登記
新築を建てるには敷地境界線をはっきりしないといけないと云われ費用、時間等は幾ら位・・・・
Q_043 建築確認の古今と道の判断
道路が2項道路として認定されているのですが、今回の建て替えに関しては、2項道路としては認められないと言われてしまいまい困っています。・・・・
Q_049 セットバック後の敷地面積と道路斜線制限
家が角地に有り2方共2項道路で道路の中心より2mセットバックして建てなければならないのです。この事は、何となく理解出来たのですが、この場合申請を出す時の敷地の面積は・・・・
Q_050 準防火地域での隣家との間隔
私宅のあるところは準防火地域ですが南側に建設されるという事もあり(私宅2階・隣家3階)出来れば隣家も50cm空けて離して建設して欲しいと思っています。が・・・・
建築設計事務所に頼む -気になる家の話題-
建築設計事務所を家創りのパートナーに選ぶというのは、少し意味合いが違います。建築設計事務所は原則として自分では、工事をしません。建築設計事務所に設計を頼む場合でも、実際に・・・・
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